
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は508万1700円(平均年齢41.9歳)、勤続年数は9.8年となっています。
ここから税金や社会保険料が引かれ、手取りの年収は額面の約8割になります。
年収約508万円の場合は、平均380万~405万円が「手取りの年収」となります。
看護師の年収・給料の内訳は「基本給」「夜勤手当」「時間外/残業手当」「賞与/ボーナス」が4つの主なものです。
●代表的な手当
夜勤手当 | オンコール手当 |
深夜手当 | 休日手当 |
時間外手当 | 通勤手当 |
役職手当 | 資格手当 |
家族手当 | 住宅手当 |
手術室勤務手当 | 特殊業務手当 |
交代勤務手当 | 危険手当 |
中でも「夜勤手当」が給料・年収においてかなりのウェイトを占めています。
手当の有無や金額、支給条件などは各病院によって決められています。
勤め先によって金額が異なり、手当がない可能性もあるため注意しておきましょう。
夜勤手当
【2交代制】 出典:日本看護協会「2023年病院看護実態調査」
夜勤平均手当額 | 11,368円 |
夜勤平均回数 | 4.9回 |
手当額×回数 | 55,703円 |
【3交代制】
準夜勤の平均手当額 | 4,234円 |
深夜勤の平均手当額 | 5,199円 |
夜勤平均回数 | 7.5回 |
手当額×回数 | (準)31,755円/(深)38,993円 |
データを見ると、2交代制で月5回夜勤に入った時の1ヶ月の夜勤手当は約57,000円ほどになり、
平均年収508万円のうち、約65万円以上が夜勤手当分という計算になります。
残業代
残業代は一般的な会社員の収入には大きく影響しますが、看護師の場合残業代が収入に占める割合は少なく、
夜勤手当のほうが年収を大きく左右します。
日本看護協会の調査でも、1人あたりの超過勤務時間数は月平均5.2時間となっています。
看護師の年代別 平均月収と年収

年齢 | 月収 | 年収 |
20~24歳 | 29万5,900円 | 401万4,700円 |
25~29歳 | 33万3,800円 | 474万1,500円 |
30~34歳 | 33万7,600円 | 487万1,500円 |
35~39歳 | 33万6,700円 | 485万3,100円 |
40~44歳 | 35万7,700円 | 521万6,200円 |
45~49歳 | 37万4,700円 | 551万8,700円 |
50~54歳 | 38万8,200円 | 566万6,100円 |
55~59歳 | 39万4,900円 | 585万9,300円 |
60~64歳 | 33万5,200円 | 477万8,600円 |
65~69歳 | 33万300円 | 450万1,600円 |
引用:厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』
男性看護師
・月収:平均36万5,100円
・年間賞与:平均87万5,800円
平均年収 525万7000円
女性看護師
・月収:平均35万600円
・年間賞与:平均85万4,200円
平均年収 506万1400円
看護師の年収を男女別で比べると、男性看護師のほうが20万円ほど高くなっていることがわかります。
女性看護師の場合、子育てやライフステージの変化などで働き方を制限されたり、男性看護師は家族手当多く支給されたりすることなども伺えます。
医療・福祉業界のみで年収を見てみると、女性の職業の中では、やはり年収の高い職業であることは間違いないでしょう。
一度取得すれば一生活かせる資格であり、慢性的な人材不足が続く看護師は、「一生働ける働き口がある」「年齢にとらわれず働ける」「ある程度の高給与が得られる」という安定感が強み。
その一方で、命を預かる責任と負担の大きい仕事でもあり、オーバーワークで心身を壊さないように注意も必要です。
医療業界は人手不足が続いており、コロナ禍以降国による看護師の給与アップ対策がスタートしましたが、対象者は一部に限られ看護師の全員が待遇改善により給与アップを実感できているわけではありません。
看護師としてはが魅力的な職業であるように、待遇・労働環境の改善へ期待が高まります。